「大丈夫ですか?」は意味がない?看護師が声かけをする時に気にかけたいこと

看護師の声かけに限らず、よく声かけに使いがちな「大丈夫ですか?」はNGとされる。

人は「大丈夫?」と問いかけられると、「大丈夫」と返してしまいがちだ。逆にどう見ても大丈夫ではない状況で問いかけられることで、「そんな訳ないだろう」「大丈夫に見えるのか」と怒らせてしまうケースもある。

「大丈夫」について、SNSで反響を呼んだ事例がある。明らかに親とはぐれている小学生に「大丈夫?」と聞いても「大丈夫」と返されたが、「何か困ってることはない?」と聞いたことで、親が見つからず困っている旨を伝えられた、というものだ。

同様に、患者に「大丈夫ですか?」と問いかける時、本当に看護師として知りたいことはなんだろうか。どこか痛いところはありませんか、何か苦しいことはありませんか、これらをひっくるめて聞くのに「大丈夫ですか?」という言葉を使ってしまうと、相手は咄嗟に「大丈夫」と答えてしまう。苦しそうな相手にはなおさら「どこが」「どのように」なっているのかを、相手の言葉で説明されることが重要になる。先述した「困っていることはありませんか」の他には「どうかしましたか」「何か手伝いますか」という声かけも有効だ。

「大丈夫ですか?」という言葉には労りの気持ちはあるが、相手の遠慮を誘発してしまい、結果として無駄なやりとりになってしまう可能性が高い。発熱や痛みなど、相手の症状から懸念される要素があれば、それを具体的な言葉で聞くことを心掛けるべきだろう。